令和にちなんで~万葉集の表現~
ここ10年ほどは余り読んでいませんでした。
それが万葉集典拠の新元号に決まり、にわかに私の中の万葉熱が戻ってきています。
「令和」も美しい響きですよね^^
だいぶ整理した本棚にも、まだこれだけ本が残っていました!
万葉関連書籍❤
今はブログなど、誰でも簡単に文章表現ができる時代です。
だからこそ、ただ書くだけでは満足できない人も増えたように思います。
「もっと細やかな心情を伝えたい!」
「気持ちにぴったりの文章表現をしたい!」
私のところには文章表現上達のための質問がよく舞い込んできます。
表現力向上には古典がおすすめ、特に注目をあびてる万葉集の魅力をお伝えしたいと思います。
★古典がおすすめ!
読書傾向がビジネス書や自己啓発書だけだともったいない気がします。
表現の豊かさではやはり文学作品。
小説や詩にふれる時間がもてるといいですね。
基本はその人の好きな作品でいいのですが、あえて今日は古典をおすすめします。
「万葉集」がせっかくスポットライトをあびているのだから!
★美しい表現は自然という力の源泉から!
古典をすすめるのは、自然への感性の開き方が今と全然違うから。
生き方も文章も「自然という力の源泉」にふれて豊かになるように思います。
万葉の歌は口ずさむだけで五感が研ぎ澄まされてきますよ^^
例えば、
令和の出典である「初春の令月にして 気淑(よ)く風和ぎ」の文章を読んでみる。
読むとそれは「体験」になり、来歴に堆積して変容し、ある日、あなたらしい表現としてこの世に生まれてきます。
今まで「風そよぎ」くらいしか表現できなかったのに、ある日、「風和ぎ」と口ずさむかもしれません。
「風和ぎ」なら、風のすがすがしさとともに、優しい雰囲気、そこで安心している自分も一緒に表現できますよね。
★マンガがおすすめ!
万葉集で挫折しちゃうのは、歌だけで時代背景がわからないから。
古典ときたらおすすめはマンガから入ることです。
マンガって、その時代を風景としてリアルに立ち上げる力があるんですよ。
万葉集なら里中満智子先生の「天上の虹」がおすすめです^^
歴史の骨の部分は史実に忠実に描かれていますし(肉付けは妄想炸裂)、万葉の歌と一緒に展開するので歌が入ってきやすいです。
おじいちゃんイメージの柿本人麻呂が美少年で登場したりのサービスもあり(笑)
★「山のしづく」の相聞歌(恋人同士の歌)
万葉集には恋人同士で交わされた歌がたくさんあります。
例えば、
万葉のプリンス大津皇子(おおつのみこ)の恋人大名児(おおなこ)への御歌。
あしひきの山のしづくに妹待つと我立ち濡れぬ山のしづくに
訳:山のしづくに濡れつつ愛する人を待っている
「この私を山のしづくに濡れさせ、こんなに待たせるなんて」というところか(笑)
恋人に「待たせていることをわかっていますか」と甘えるような、相手の女性への愛しさも感じます。
りりしく人望があり、歌の才能もあったプリンス大津皇子。
そんな大津を待たせた女性が宮廷侍女の大名児。
こんな歌を返しています。
我を待つと君が濡れけむあしひきの山のしづくにならましものを
訳:私を待つためにあなたを濡らした山のしづくになりたかった
プリンス相手に待たせたことへの謝罪もなく、
「あら!その山のしづくに私がなりたかったわ♡」と返答しています。
ほほえましい二人だけど、その後、万葉の女傑持統天皇によって大津皇子は死に追いやられてしまいます(涙)
この悲劇は、この歌とともに「天上の虹5巻」に描かれています。
ね!ドラマチックで面白いでしょう♬
山のしづく・・・。
この言葉に出会えただけで幸せです^^
せっかくの改元の機会、万葉集を手に取ってみてはいかがでしょうか☆
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